おはようございます。
血液型などの性格診断を類型分類と言います。
すでに血液型で性格分類は信頼性が無いことは証明されています。
そこで個人の性格を測定するツールとして用いられるのがエゴグラムなのどの性格分析です。
ただ一つの性格分析では性格の一部しか把握できないので何種類かの分析を組み合わせるテストバッテリーという手法がとられます。
そのため、かなりの時間を割かなけれなりません。
精神科や診療内科に来る患者さんはそれでも受けてくれるかもしれません。
歯科の臨床では無理です。
エビデンスから見たら性格分析は妥当性と信頼性が証明されているものが多くありますが時間や手間がかかりすぎて使えないのです。
当院では患者さんのカウンセリングにサイグラムと言われる類型分類ツールを活用しています。
考案者は吉井伯英先生で初めてセミナーに出た時は衝撃を受けました。
「人間の類型は存在する」と実感したからです。
例えばあなたがこの商品は必ず売れると思ったとします。
その基準はあなたですよね。
そしてその考えの背景には自分が欲しいと思っているのだからみんなも欲しいと思うはずと言う考え(自他同一視)があるはずです。
これが人間の脳は事実を正確に認識できないと言われてしまう根拠の一つです。
口では人それぞれと言いながら思考は自分と同じ考え方をほとんどの人がするはずという前提で物事や人の考えを判断しているのです。
これはなかなか実感しないと分からないものです。
サイグラムのセミナーでは受講生が被験者で意図的にグループを組まされ与えられたテーマについて話をするだけですが見事にタイプの違いが出て来るのです。
簡単に分けると行動、思考、感情のグループに分かれます。
行動グループはテーマが与えられた瞬間に行動を始め、話し合いが終るとやることがなくなり暇そうにします。
感情グループはいつまでも楽しそうに話しをして、時間切れになってもまだ話しをしています。
思考グループは着実に議論を重ねますが感情に振り回されることはありません。
心理学者はこれを確証バイアスと一蹴するでしょう。
サイグラムは人間の生まれ持った質性にフォーカスして出来た類型分類であり遺伝心理学とも言えます。
人間は遺伝と経験からなることは心理学でも認めています。
心理学は心の科学ではありません。
行動の科学です。
ですから全てが検証されるわけではありません。
臨床ではその時その時が勝負ですからエビデンスを待っている余裕などないのです。
ツールや手技は使えるか使えないかで判断すべきだと思うのです。
