私がナソロジーと言う咬合理論に絶望した時に歯科医師としても顎関節症の患者としても救ってくれたのがこのニューロマスキュラーコンセプトと言う咬合理論でした。
20年以上前は咬合と言えば顎関節を基準とした咬合理論が普及し今までバラバラだった主張が一つにまとまり再現性を重視した機械的咬合論(ナソロジー)の全盛の時でした。
難しいが学ぶことに手ごたえを感じ、セミナーやスタディーグループなどで勉強させてもらいました。
その時には顎関節症の症状も大きく出始めていたので患者としてもこの咬合理論に沿った治療をしてもらえば治ると信じていましたし大きな期待も寄せていました。
そんな時、ファーラーエフェクトと言って、機械的咬合理論で治療すると顎関節症はよくなるどころか悪化することが証明されたのです。
これに歯科界は大きく揺れました。ナソロジーを快く思っていない人たちは一斉に非難し、顎の基準位置であった『中心位』と言う言葉が消滅し、それに代わる基準位が次々と現れ、その概念も毎年変わるという迷走ぶり。しかもそれを受けて顎関節の学会ではかみ合せ治療では顎関節症は治らないと薬剤療法に切り替えたのです。
これで困ったのは我々患者です。どこにも相談してもまともに治療はおろか、まともに取り合ってももらえません。
自分も歯科医師としても患者としても大いに失望し仕事として今後やっていていいのか疑問でした。
世の中はうまく出来ているものですね。捨てる神あれば拾う神あり。運よくニューロマスキュラーを知り、教えてくれる先生に出会うことが出来ました。
最初は半信半疑でしたが3か月後にはK7エバリューションシステムと言う検査機器も購入していました。
この検査機器のすごい所は顎関節の運動障害や筋肉の異常が診断できるのはもちろんですが、その人の顎の最適な位置をナビゲートしてくれるところです。これが他の検査機器にはありません。
かみ合せや顎関節症の治療を成功に導くためには検査で現状を把握することが重要です。