おはようございます。
桜井です。
人間には欲があり、それを理性で抑えて社会性が保たれています。
これを自制心と言いますが、これが薄いと迷惑行為になったり犯罪を犯してしまったりします。
心理学では「そもそもなぜ犯罪を犯してしまうのか?」という観点から研究が行われていました。
つまり自制心が弱いのは学習していないか、間違った学習をしたと考えたのです。
しかし、「それって違うんじゃない?」と言い始めたのがトラビス・ハーシです。
「人間は何故犯罪を行わないのか?」という観点から考えたとき、
人を犯罪に踏み出す妨害するものがあるからではないかと導き出した理論が「社会的絆理論」です。
この絆には「愛着」「投資」「巻き込み」「規範」の4つがあり、これらが犯罪へと走る足を引き止めるボンドになるとしたのです。
それでは1つづつ説明します。
「愛着」は家族や友人への愛着のことでこれを失いたくないという気持ちが抑制するということです。
ハーシは非行と愛着の関係について分析したところ親とのコミュニケーションが密接であったり、
親に対する愛着が強い、監督されているほど非行頻度が小さいこと、父親より母親との関係が重要であったとのべています。
「投資」はそれまで築きあげた財産や資産、地位などです。
「巻き込み」は忙しくてそんなものに関わっている「暇」などないということです。
いじめる側が何故いじめるかといえば、暇なのです。
夢中になれるものに巻き込まれていれば、そんな暇はないとなるわけです。
「規範」は道徳への信念です。
犯罪が頻繁に発生する環境で生まれ育ったらなら「道徳って何?」となるわけです。
生まれや育ちはやはり大切であるということですね。
参考文献
「犯罪心理学」越智啓太 サイエンス社 2014
Travis Hirschi :「Causes of Delinquency.University of California Press,1969