「心の病をなめてはいけない」

仕事が原因でうつ病などの精神疾患にかかり2017年に労災申請したのは1732件で過去最多で労災認定も253件とこれも過去最多なのだそうです。

自殺は98人にも上ったとのことです。

政府は長時間労働是正に向け罰則付きの残業時間上限規制を含む働き改革をすすめていますがその効果はまず無いでしょう。

なぜなら、ほとんどの場合、時間の問題ではなく、仕事の内容や人間関係が原因だからです。

そもそも会社員が心を病みやすいのは当たり前の話なのです。

それはサラリーで月々一定のお給料を貰えることにあります。

働いても働かなくてもお給料が同じなら働かないという人が出てくるのも当たり前です。

時間でも規定以上の時間でも自分が選択して働くのならストレスになりません。

むしろ時間給で働いているから問題なのであり、仕事に意味を持たせられないのです。

仕事を選んで楽なことばかりをしていれば、自分を見失うのも当然と言えます。

新人は誰でも熱意を持って仕事にきます。

出来ないことができるようになるだけで成長している自分を実感できるのでどのような仕事でもやる気になります。

しかし、問題は慣れた後です。

仕事が簡単だったり単調であったりすると飽きてしまうのです。

すると出てくる言葉がネガティブになっていきます。

「早く帰りたい」

「楽しくない」

「やりがいがない」

「生活のために仕方がない」

「ため息が多い」

などの言葉や態度に表れてきたら要注意です。

人生の大切なことは経験からしか学べません。

職場を決める時、条件や安定、知名度などで決めていませんか。

やりたいこと、成し遂げたいことを仕事にしていても見失うことがあるのに

お金や安定のために仕事をしていたら、仕事をする理由が家族のため、生活のためと理由づけしなければ正気を保てません。

どんな仕事をしていても間違えたり、

好きで始めた仕事なのに嫌いになったり、恐ろしくなったりします。

そんな時、自分を支える想いは「なぜこの仕事を選んだのか?」

という原点に帰ることです。

それがお金や生活、見栄のためでは、「それを得たあとの人生は?」の問いに答えられないのです。

「生活のためお金が必要」という理由を否定する気はありません。

お金は大事ですし、あれば便利です。

若い頃はそれでもいいでしょう。

ただ40歳を越えて同じ答えをしていたら情けない限りです。

家族のために自分を犠牲にしてきたと言われて家族は嬉しいと思いますか?

それは「お前も自分を犠牲にして家族を守れ」と言っているのと同じです。

そもそも自分を犠牲にしていると考えるから苦しく心を病むのです。

元々、選択したのは自分であり、目に見えるものにすがり、したいことや歩みたい人生を諦めたことが原因なのです。

それまで我慢という凶器で殺してきたもう1人の自分に復讐されているのです。

そこから抜けるためには「勇気を出してやりたい仕事をする」ことです。

なかなかハードルが高いなら「自分の与えられている仕事から未来を見通す」ことです。

終身雇用は崩れ、転職が当たり前の時代に、安定にしがみついても見捨てられるだけです。

やがて独立するためのステップとして今の仕事を捉えるのです。

どんな仕事も寄り道に見えていつか自分の歩みたい人生に繋がるものです。

「アレがあったから今がある」

そう考えられる人生であって欲しいと願っています。

横浜 青葉台 さくら歯科クリニックあおば 院長 櫻井直樹
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