今日は咀嚼の話しです。
斉藤滋先生は著書「よく噛んで食べる」の中で
「獲物を獲る動物より立ち尽くして栄養分を吸収する植物に近い」と
現代人がよく噛むということを忘れてしまった警告をしています。
つまり噛まなくても栄養を補給出来る食事の影響を心配されているのです。
例えばダイエット
噛まずに丸呑みだから炭水化物の血糖値が上昇し肥満を引き起こすことが分かっています。
そこで出て来たのが炭水化物ダイエットです。
炭水化物を抜くことで体重が減るのは炭水化物の量に眼が行きがちですが噛んでいないことの方がよっぽど問題なのです。
よく噛むと満腹中枢が刺激され
食べすぎを回避できるということは
色々な雑誌や本の載っているのでご存知の方も多いでしょう。
では食事誘導性体熱産生によって内臓脂肪を分解出来ることをご存知だろうか?
食事誘導性体熱産生とはどのような食事をしてもよく噛むだけで酸素消費量が急上昇して体が温まります。
これは全身エネルギー代謝が促進されることを示しています。
環境人間学食環境栄養過程 の永井成美教授は
咀嚼が食事誘導性体熱産生に及ぼす影響 というレポートでデータが出ています。
通常食を一口あたり30回咀嚼する人達とミキサー食を噛まずに飲んだ場合食事誘導性体熱産生を調べたら
咀嚼ありは31.7±3.8kcalだったのに対して咀嚼なしは約半分の16.3±3.3kcalだったのです。
有意差はp=0.007ですから帰無仮説は棄却され明らかに差があることが証明されています。
そのほかに食後の鼓膜温、満足スコア、脂質酸化量も有意で高い値で移行したことが分かりました。
つまり何を食べるかよりどう食べるかが大切なのです。
「何を食べるかよりどう食べるかの方が大切!」