こんにちは。櫻井です。
今日は「食べる」という行為のルーツのお話しです。
食は人を良くすると書きますね。
人間のこれまでの進化の過程を考えると噛まなくなった現代では「悪くなる一方ではないか?」
そんな危機的な状況にあると私は思うのです。
咀嚼回数は戦前(昭和初期)では1420回に対し現代では620回、
食事時間は戦前22分に対し現代では11分だそうです。
食事内容の変化に伴うものですから仕方のないことなのかもしれませんが
噛むことを省略するという事は
「食べものを粉砕し呑み込んで消化吸収しやすくする」
「生きる意欲を高める」
「脳の働きを活発にする」
「精神的ストレスを解消する」
「病気予防と健康増進」
というこれらのメリットを省略することなのです。
特に「食事に興味がない」という人はかなり危険な状態と言えます。
本能に逆らう言動であり進化的にも退化していると言えます。
脊椎動物の先祖はヒドラやイソギンチャクといった腔腸動物です。
これらは口が空いているだけで水中浮遊物を吸って取り込むしか出来ません。
しかし水中生物が増えると餌の獲得競争で生き残れなくなります。
積極的に餌を獲得するために開いて閉じるアゴが出来、
それを動かすため、それまで筒状の胴体の中を神経細胞が冠状に集合していただけのものが
一本の集中した神経の束になり、これが伸びて脊索になり、
やがて脊髄となりその先端が膨らんで脳となったと言われています。(食と教育 -咀嚼と脳から考えるより)
つまり脳の発達は摂食の発達と言え、
常に摂食を考えて進化し
食事で病気予防ができたり治療できたりするところまで食事を高めたのです。
これを医食同源と言います。
つまり食事に興味がないということは
与えられた食べ物が入って出ていくだけの腔腸動物化していると言えるのです。
そんな死んだように生きていて幸せですか?
与えられたものだけで自分で獲得しようという気力がない生活だから食に興味がないのです。
咀嚼とは進化して得られた食べ物から栄養を効率よく取り込むための必須作業です。
咀嚼によりストレスに負けない心を作り、食欲が明日への気力を作っていくのです。
美味しいものを食べるために働く位のモチベーションで生きるくらいが丁度いいと思いませんか。