今日は言語発達のお話です。
言葉の遅い子には3つの原因が考えられます。
1、インプットの不足
2、喉の発達不足
3、舌の筋肉のトレーニング不足
の3つです。
特に大きく関わっているのがインプット不足です。
人間の脳は情報を入力して記憶しそれを思い出して発声します。
全てにおいてこれを繰り返して獲得していきます。
言葉の入力は多ければ多いほど良いことが分かっています。
貧困層が通うアメリカのプリスクールで学習能力や言葉の遅さが問題になり専門職と貧困層との家庭の違いを調査したそうです。
42世帯、2年6ヶ月、1ヶ月に1時間の頻度で
家庭内の会話を録音し貧困層と親が専門職の家庭では
会話の質に差があるかを調べた研究です。
どんな差があったのでしょうか?
もっとも興味深い違いは「単語数」だったそうです。
生活保護を受けている世代の子供が聞く単語数は1時間に平均600語
親が専門職の家庭の子供は2100語
4歳までに語りかける言葉は親が専門職の子供4800万語に対し
生活保護では1300万語 と圧倒的でした。
積み重ねの違いが学習の土台の違いとなるのですから
貧困層の子供は語彙力と会話の獲得に遅れが出て当然ですね。
ではいつから話しかければいいのでしょうか?
それは出産10週前と言われています。
この時期から胎児は聴力があると言われています。
出産後では生後6ヶ月から8ヶ月が1番大切であると言われています。
この時期に赤ちゃんの聴覚の能力が格段に上がるので本の読み聞かせや沢山話しかけるようにして下さい。(最適期)
読み聞かせで大切なのは絵本に触れさせること。
生後一年半は感覚入力に努める時期で
手で触れたり舐めたりしながら得られる情報は多い方が脳は発達するのです。
もう一つ大切なことがあります。
ラジオやテレビで感覚入力してはいけないと言うことです。
赤ちゃんはラジオやテレビの情報は多過ぎて受け取れません。
これは聞き流すことを覚えかねないので危険です。
言葉を覚えさせたいなら何度も同じことを言って聴かせることが大切です。
それでも言葉が遅くなるとしたら構音出来るまで発達していないのかもしれません。
つまり話したいが構音(言葉を発声すること)ができないのかもしれないのです。
前回説明した通り
赤ちゃんは気道と食道の入り口の高さが違うために
気道は鼻へ、食道は口につながり呼吸と嚥下を両方同時に行えます。
しかしお座り、ハイハイ、つかまり立ちを経て
立って行くうちに気道の入り口が食道と同じ高さまで下がることで
吐いた息を上顎に当てて発音出来る様になるのです。
つまり気道が下がっていないと泣くことは出来ても発声には至らないのです。
もう一つ!
舌や頬の筋肉が弱いとハッキリ発音できないことがあります。
舌足らずなどがそうですね。
実はどちらも口のトレーニング不足が原因です。
授乳の育児を勧めるのはこのトレーニングは授乳による吸い込み力がとても大切です。
何らかの理由で授乳できないときは
吸い込まないと吸えない哺乳瓶が今では売ってます。
それで補う様にして下さい。
これらは知っているか知らないかです。
子育ては命を守ることで精一杯かもしれません。
ですが乳幼児には学習における最適期がありその時期に学習しておかないと後から取り戻すことは難しいので知っておいて欲しいのです。
結果が出てから焦っても”あとの祭り”なのです。